いま地球がたいへんだ

石 弘之・著
草土文化

           
         
         
         
         
         
         
    
    
 今から一年と少し前に、イギリスやオランダ、スウェーデンなどに囲まれた北海で、アザラシの死体が沿岸国の海岸に次々と打ち上げられたことがありました。その数は一万八千頭にもなり、北海に住むアザラシの、実に九割が死んでしまったのだそうです。
 北海は世界で最も汚れていると、長い間いわれてきました。それは、周りの国々から工場排水や都市下水など、大量の汚染物質が流し込まれてきたからです。
 アザラシは、海洋汚染のために体力が落ちているところへ、新しい病気が流行して死んでしまった、と考えられています。海の汚染は北海だけではなく、各地で年々ひどくなっています。アザラシの悲劇が私たちの上に降りかかってこない、という保証はないのです。
 このほか、汚れてきた空気の話や地球上の森林がなくなっていく話、人口が急増し食糧が不足するかもしれないという話などが、分かりやすく書かれています。どうしたら良いのか、話し合ってみるのもいいのではないでしょうか。
 (小)=静岡子どもの本を読む会
テキストファイル化岡田和子