川べにこがらし

ウィリアム・ホウッド/作 パトリック・ベンソン/画
岡本浜江/訳 講談社 1994

           
         
         
         
         
         
         
     
 吹雪の夜、カワウソさんの息子がモグラくんの家を訪れた。その様子から何か悪いことが起こったと感じたモグラくんはネズミさんに相談しようと家を出たまま行方不明になってしまう。数日後、モグラくんが事故に巻き込まれたらしいと感知したネズミくんやアナグマさんたちはモグラくんの捜索に乗り出した。
 誤解や思い違いからいろんなハプニングに見舞われたり、トラブルメーカーのヒキガエルによって思わぬ方向に話が展開していく様子が軽快な筆致で描かれている。
 随所に登場人物たちの個性を豊かに表現したさし絵が添えられており、物語を効果的に盛り上げている。
 作者の弁によるとグレアムの 「たのしい川べ」 に添えられたシェパードのさし絵にインスピレーションを得て創作されたとある。
(喜多由美子)
『子どもの本-新聞書評から7』(子どもの本書評研究 1996)