きつねのホィティ

シビル・ウエッタシンハ:作
まつおかきょうこ:訳 福音館書店

           
         
         
         
         
         
         
    
    

この話の舞台はスリランカの村です。この村にはアンゴウ・マンゴウ・ランゴウというなまえの三人のげんきのいいおかみさんがすんでいて、とてもなかよくくらしていました、と言って始まります。
 この村へ腹が空いたきつねのホィティがアンゴウさんの家の食事のにおいに誘われてやってきます。ホィティは一計を案じてアンゴウさんの干してあるシャツを着て、サロンをはいてタオルで頭をすっぽりつつんで、人間に早変わりをして訪ねて食事を頼みます。
 アンゴウさんははじめはホィティの話を信じて、おなかの空いた旅人と心からもてなします。帰る間際にきつねだとわかりますが、だまされた振りをしています。このことを仲良しの二人のおかみさんに教えます。彼女たちも楽しくホィティにだまされた振りをして食事を出してやります。
 ところが、ホィティはおかみさんたちをだましきったとばかにして、歌をうたっているのをアンゴウさんに聞かれてしまいます。仕返しを受けますが、とっても愉快です。訳が大変良く、声を出して読むと、リズムが出てきます。絵も動きがあり、文字の読めない子どもは絵からたくさんの話を読みとることでしょう。(亮)=静岡子どもの本を読む会
テキストファイル化渡辺みどり