三びきのコブタのほんとうの話

ジョン・シェスカ:文 レイン・スミス絵
いくしま さちこ訳岩波書店 1991年

           
         
         
         
         
         
         
    
 これはですね「三匹のコブタ」のパロディ版です。ですからして、もしかして「三匹のコブタ」のお話を知らない方がいらっしゃいましたら、ぜひ、まず本篇をお知りになってから、お読み下さい。でもまあ、みなさんご存じですよね?
 これは一匹目と二匹目のブタを食べたとされているA・ウルフ氏の、あれは一種の冤罪なんですという話でして、マスコミもしくは人のうわさ、という無責任きわまるものがどれだけ人を傷つけ、本当のことを伝えるのがいかに難しいか、という非常に高度な風刺、であります。う〜ん、実に、うまいっ!
 絵もバツグンだし、洒落てるしね、岩波が出してくれて嬉しいなァ……。天下の岩波が出してれば本のわからない連中も、こんなもの、子供に与えていいんでしょうか……なんてバカなことをいいだす人もいないだろうし、ね。
 わかる人にならいくつからでも……です。(赤木かん子 『絵本・子どもの本 総解説第5版』)
テキストファイル化  大宮阿弥