ちいさな村に汽車がきた

望月 正子・作 坂田 和之・絵
岩崎書店

           
         
         
         
         
         
         
    
    

東海道の鉄道全線が開通して今年で百年です。
先人は駅の誘致から建設までにどんな苦労をしたのでしょう。汽車を初めてむかえた時の人々のようすは?
この本は、数ある日本の駅のひとつ、静岡県の菊川駅(旧堀ノ内駅)ができるまでのお話です。
小学生のとし子が、自分の住む町の駅の歴史を身近なお年寄りから学ぶという形式でお話はすすみます。といっても、何も特別な駅のお話ではありません。あなたも、身近な駅に思いをめぐらせながら、楽しんで読んでみてください。
「もっくもっくと、まるでばけものだ」「きれいな板ばりの床だ。はきものをぬいでのらねば」などと、当時の人たちが、初めて汽車を大さわぎして迎えるようすが、とても愉快です。
「あとがき」によると、作者は菊川駅に近い路線沿いの家に生まれ育ちました。
町の多くのお年寄りから、たくさんのお話を伺ったそうです。叙情あるさし絵を描いた坂田氏も、地元の常葉学園短期大学の助教授です。
菊川に縁の深い二人から生まれた故郷の本ともいえそうです。鉄道だけでなく、百年前の静岡県の政治や、庶民の生活のようすもよくわかります。
現在の私たちの生活と比べながら、また、身近なお年寄りから昔の話を聞きながら、読んでみて下さい。(三)静岡子どもの本を読む会
テキストファイル化杉本恵三子