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![]() この作品は、父方の祖父が一時的に同居することになった家庭を舞台に、もうすぐ中学生になる少女と入学前の弟の、それぞれの祖父とのかかわりの中から、伝統社会が保持していた癒し癒され、お互いに元気付けられる関係性を蘇らせてみせる。少女は、大好きだったいとこの急死がきっかけで、沈みがちだった。そこに祖父がくる。弟は保育園の送り迎えをしてくれる祖父を慕い、少女には一種の安心感を抱かせる。連れ合いを亡くしてから急に元気を失くしていた祖父は、孫を送っていく保育園で新しい女性友だちと出会う。二人が結婚するということで動揺する両親たちに対し、少女は反発する。死の恐怖にとらわれていた少女と祖父が、お互いの出会いの中から勇気を取り戻す、核家族時代の蘇生の物語がさわやかである。(野上暁)
産經新聞インデックス2000.05.02
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