まど・みちお全詩集

井藤英治:編 理論社

           
         
         
         
         
         
         
    
    

 「ぞうさん」のうた、「やぎさんゆうびん」のうた、よく知ってるね。でもTまど・みちおさんUが書いた詩だってこと知ってましたか?まどさんの詩はとても優しい。それに、必ずおかあさんがいます。
 「かあさんとふたりだけで」(略)かあさんとふたりだけでおはなしすれば へんじのきしゃが/しゅっぽっぽっぽ/おもしろそうに/でてくるよ/かあさんのくちから/わたしのみみへ
 まどさんの詩が、みんなに親しまれるのは「わたし」「いのち」をたいせつに、だいじにしているから。
 「くまさん」はるがきてめがさめて/くまさんぼんやりかんがえた/さいているのはたんぽぽだがええとぼくはだれだっけだれだっけ/はるがきてめがさめて/くまさんはぼんやりかわにきた/みずにうつったいいかおみてそうだぼくはくまだったよかったな
 ちょっと悲しい、こんな詩もあります。
 「さかな」さかなやさんが/さかなをうっているのを/さかなはしらない/にんげんがみんな/さかなをたべているのを/さかなはしらない/うみのさかなも/かわのさかなもみんなしらない
 残り少ない夏休み。「まど・みちお全詩集」を図書館で借りて、ゆっくりとよんでみませんか。
 
(仁)=静岡子どもの本を読む会
テキストファイル化山本京子