みにくいむすめ

レイフ・マーティン/文 デイヴィッド・シャノン/絵 常盤新平/訳
岩崎書店 1996

           
         
         
         
         
         
         
    
この本は一見、絵がかなり暗いのですが、少し離れて見ると急に生き生きと深みと奥行きが出てくる……従って大勢の子どもの前でよむのにとても向いている本です。
 それにこの暗さって、つまり照明は太陽と月と火しかなかった時ってこんなふうだったんだろうな、なんだよね。
 お話は、全世界にあるシンデレラのネイティヴ・アメリカン・ヴァージョンで、王子様役は“誰にも見えない人”。
 彼は自分を見ることができる娘と結婚するのです。
 そうして見えないのに見える、と嘘をついた意地悪姉さんたちは敗退し、姉さんたちにいじめられ、ヤケドまで負ってみにくいといわれていた末娘、村中にバカにされていた末娘がみごと見えない人を射止めるのです。
 洗練されているヨーロッパのシンデレラとは一味違い、では、彼の弓は何か? と問われて、大空の虹です……と答えるこの話には壮大な優美さがあふれています。(赤木かん子 『絵本・子どもの本 総解説第5版』)

テキストファイル化佐藤芳美