わゴムはどれくらいのびるかしら?

マイク・サーラーぶん ジェリー・ジョイナーえ きしだえりこ訳 
ほるぷ出版

           
         
         
         
         
         
         
    
「おかあさん、わゴムなあい?」
 絵本を読んで、すぐ出てきたのがこのセリフ。なんとも単純で、笑っちゃうようなわが息子である。でも、キミの気持ちはよおくわかるよ。
 どんどん、どんどん、わゴムがのびるから、自転車にのって、バスにのって、汽車にのって、飛行機、そしてロケットにまでのりこんじゃうんだからね。さいごは、ボーンとわゴムがはねて、自分のお家のベッドのなかへ。これぞ、絵本の王道をいくシンプル・イズ・ザ・ベスト・ストーリー!
 描かれて25年以上もたっているのに、ページをめくるドキドキはいつまでも色あせない。読んだあとで、ぼくも、と思わせてしまう親しみやすさ。読み手の視点で描かれたイラストには、アップからロングへとアニメーションのテクニックをさり気なく、効果的に使っているのが心憎い。
 図書館で子どもたちにぼろぼろになるまで読み継がれ、ずーっと再刊が望まれていた絵本だというのもうなづける。
 あは、あは、あははとわらってしまう、こんなおおらかな絵本、なかなかない。<ほそえさちよ