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美術ブームといわれ、名画をなまで鑑賞する機会も増えました。子どものための入門書はまだ少ないですが、これはその中でもおすすめの一冊です。 童話から科学まで独特の絵と語り口で、子どもたちに圧倒的な人気の絵本作家である著者が、世界の巨匠といわれる画家たちと、その代表作をわかりやすく語った絵本です。 衣服の下にかくれている体の仕組み、体の中の筋肉や骨の様子まで研究して描き、初めて聖母子や聖人を、血の通った美しい人間として表したダ・ビンチ。戦争に苦しめられる人々を、深い同情と祈りと怒りを込めて、「ゲルニカ」を描いたピカソ。そしてゴッホ。並んで日本の江戸時代の版画家、北斎やロシアのレーピンも取り上げています。 美しい絵は、見る人が画家の美しい心を感じるとき、最も美しい。「どうか美しい絵を感じとれる人になってください」という著者のメッセージが、熱く伝わってきます。 74年の初版から今も版を重ねています。 (和)=静岡子どもの本を読む会
テキストファイル化塩野裕子
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