銀のしずく降る降る

知里むつみ:修訳
横山孝雄:絵 星の環会

           
         
         
         
         
         
         
    
    
 ずっと昔、広い北海道はアイヌの先祖が自由に、楽しく、仲良く生活していました。
 知里幸恵さんは、アイヌとして生まれました。先祖が語り興じた小さな話を後世に残そうと、アイヌ語をローマ字で表しました。それに日本語訳をつけたアイヌ神謡集(岩波文庫)を残しました。文才に恵まれながら、惜しくも十九歳で世を去りました。
 知里さんのめいのむつみさんが修訳しました。読みやすく心を引きつける文体です。
 幼児には絵を見せながら読み聞かせるのによい絵本です。小学生も興味をそそることと思います。
 アイヌの人々の素朴でやさしく生活する姿や、神と共に正しく生きようとする姿、日々の戒めなどの言い伝えが心に響く言葉で書かれています。
 一ページごとに、アイヌ語と解説が加えられ、この本の特色を出しています。
 ふくろうのカムイ(神)がやさしく語りかけ、絵の一つひとつがアイヌ民話の雰囲気を出しています。
 (野)=静岡子どもの本を読む会
テキストファイル化富田真珠子