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「あるところに小さい女の子がいました。女の子にはおとうさんとおかあさんとおじいちゃんとおばあちゃんとおじさんとおばさんがいました。草ぶき屋根の白いきれいな家にいっしょに住んでいました」と昔話風の出だしで始まる「ミリーモリーマンデー」という名前の女の子の話です。 農家でみんな自分に合った仕事を持っています。ミリーでさえも持っています。このお話の時代は1920年代後半ですから電話も自家用車も登場しません。女の子はおとなの伝言のお手伝いをよくします。 人間が歩く速さで十分に間に合うゆったりした時間が流れています。家庭でのみんなの何げない心づかいで楽しく暮らしています。友達とのお茶会、ダンスパーティー、キャロリングなど、ミリーモリーマンデーの一年間を描いた六冊の本が出版されていますが、本書は、その中から十二編を選んで翻訳、出版されたものです。 おとなにとっては、本当の豊かさと子育てのすばらしさを、子どもはミリーモリーマンデーと一体化できる、「掌中の珠」のような本です。 (亮)=静岡子どもの本を読む会
テキストファイル化塩野裕子
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